2G-GTE 3rd Season その4

 

圧縮比計算

 

素人に毛が生えたくらいの経験と技量ですので原因は燃調のセッティングミスが有力候補となりました。でも腑に落ちないです。確かに原因の一旦はそれにあるかもしれませんがA/Fフィードバックしていました。薄ければ金プロが勝手に補正するはずです。

ノッキングが起きる原因には他に高ブースト高圧縮なども挙げられます。まずブースト圧ですが1.2kくらいしか掛けていません。除外していいと思います。

 

次に高圧縮。HKSがキットとして出していたのですからそのまま組めば適正な圧縮比になっていたはずです。でも念のために検証してみます。圧縮比の計算には燃焼室の容積を計測する必要があります。

そのため通常は透明アクリル板やビュレット(写真)などを使って燃焼室にオイルなどを満たして計測します。でも私が知りたいのは燃焼室を削ったりした後の容積などではなく、純正形状そのままの値です。そのため計算で求めます。

 

まず1G-GTの圧縮比はこの図表の通り8.5です。以下メジャーなエンジンの圧縮比を調べてみましたので記載しておきます。

1G-GTE:8.5
7M-GTE:8.4
1JZ-GTE:8.5
2JZ-GTE:8.5
RB20-DET:8.5
RB26-DET:8.5

こうして見てみるとほとんどが圧縮比8.5です。

 

圧縮比が8.5ですのであとはピストン径とストロークさえ分かれば自動的に燃焼室容積が出てきます。ちなみに圧縮比と燃焼室容積は厳密には以下の式で求められます。

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圧縮比=(シリンダー容積+燃焼室容積)/燃焼室容積
燃焼室容積=ヘッド容積+ガスケット容積-ピストントップ容積

※ピストントップ容積は上死点の時にブロック上面から飛び出ている容積をプラスと考える
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以上よりEXCELで青色のセルに数値を入れれば他の項目が計算される燃焼室容積計算シートを作りました。便宜上、潰れたときのガスケットの厚さを1.3mm、ピストントップの容積を-3ccとしました。

これによりノーマルの1G-GTのヘッド容積は35.4ccと求めることができます。この数値を使って2Gの圧縮比を計算できます。

ただしこのヘッド容積はあくまでもガスケットの厚さとピストントップ容積を上記で仮定した場合です。ガスケット厚さは1.5mmが潰れて1.3mmだろうという予測なのでそんなに違いは無いと思いますがピストントップ容積は全く分かりません。

 

上記で求めたヘッド容積をこの圧縮比計算シートに入力して計算してみます。圧縮比が9.0と出ました。確かに高いですね。これにブースト1.2kならかなり高圧縮の状態だったと思われます。

ただしこれは2Gピストンのトップ容積が6ccと仮定した場合です。見た感じ純正の2倍はあるだろうということで適当に入れた数値です。

    

 

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少なくともピストントップ容積を測定する必要がありますね。

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